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花火 スロット 当たり今や老若男女を問わず、愛されるようになったアニメーション。「日本のアニメーションは世界にも受け入れられている」と言われることもあるが、ビジネスとして健全な成功を収められている作品は決して多くない。この連載では現在のアニメビジネスについてデータをもとに分析し、持続可能なあるべき姿を探っていく。

 今年も残すところ、あと少しとなった。そこで、今年最後の連載となるこの記事ではアニメビジネスにとってどういう年であったのかを振り返ってみたい。

 2006年をピークとして規模を縮小していたアニメビジネスだが、昨年から回復基調に入ったことは、「5年ぶりに制作分数が増加、レポートから見るアニメ業界の現状」で述べた。だが、今年のアニメビジネスの進ちょくを見ると、回復以上に「新たな発展」の芽が出つつあるのではないかと思われる点がいくつかあった。

 まず、業界全体の景気動向をうかがう上で指針となるテレビアニメの制作分数だが、昨年並みか、それ以上であることが予測される。それだけでも朗報なのだが、さらに劇場アニメが大健闘したことで興行収入が前年を100億円以上上回る可能性があるので、売上全体がかなり伸びる可能性があるのだ。

 現時点の2012年興行収入ランキングを次表にまとめたが、劇場アニメはベストテンに6作品のランクインが確実。中でも『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』と『ONE PIECE FILM Z』はまだ公開中で、両映画とも50億円を突破しそうな状況だ。

2012年邦画興行収入ベストテン予測(発表データをもとに筆者作成)

順位タイトル興行収入配給1BRAVE HEARTS 海猿74億円東宝2踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望62億円東宝3テルマエ・ロマエ58億円東宝4ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q50億円~カラー/Tジョイ5 ONE PIECE FILM Z50億円~東映6 おおかみこどもの雨と雪41.8億円東宝7 ドラえもん のび太と奇跡の島~アニマルアドベンチャー~36.2億円東宝8 ポケットモンスター ベストウイッシュ キュレムVS聖剣士 ケルディオ34.5億円東宝9 名探偵コナン 11人目のストライカー32.7億円東宝10るろうに剣心28億円WB10 のぼうの城26億円~東宝/アスミック

 問題はどこまで伸ばせるかである。11月17日公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』は邦画歴代4位(公開時)の初動11億3100万円を記録。現時点での2012年興行収入トップの『BRAVE HEARTS 海猿』の初動(8億8000万円)を上回った。興行収入は現在40億円を超え、50億円に近付いている状況だ。

 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の華々しさに隠れがちだが、実は12月15日に公開された『ONE PIECE FILM Z』の初動は13億7000万円とあっさりと『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の記録を更新、邦画歴代2位となる数字を打ち立てた。こちらも最終的に50億円を超えるのは間違いなく、あとは『BRAVE HEARTS 海猿』にどこまで迫れるかが注目されるところとなる。

 もし、両作品とも50億円を超えたなら、スタジオジブリ作品抜きの年として初めて邦画興行収入が400億円を突破することになる(ジブリ抜きで最高だったのは2009年の311億円。2011年は『コクリコ坂から』があったが285億円にとどまった)。

歴代邦画初動興収ベストテン(発表データをもとに筆者作成。ただし、『千と千尋の神隠し』については祝日を含む3日間興業)

順位タイトル初動最終興収1ハウルの動く城14.8億円196億円2ONE PIECE FILM Z 13.7億円50億円~3踊る大捜査線 THE MOVIE 212.4億円173.5億円4ROOKIES-卒業-12.3億円85.5億円5ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q11.3億50億円~6千と千尋の神隠し10.5億円304億円7ONE PIECE FILM STRONG WORLD10.3億円48億円8崖の上のポニョ10.3億円155億円9HERO10.09億円81.5億円10花より男子ファイナル10.05億円77.5億円

 このように劇場アニメの好調さが目立った2012年のアニメ産業界だが、2013年も3月に『ドラゴンボールZ』、夏に宮崎駿監督の『風立ちぬ』、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』が控えており、『ドラえもん』『名探偵コナン』『ポケットモンスター』の定番作品勢と合わせて、興行収入ベストテンに4~6作品ランクインしそうな気配である。

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